オーストラリア 2009年10月30日(金曜日)
NSW州、食糧供給拡大の行動計画発表
ニューサウスウェールズ(NSW)州のマクドナルド一次産業相は21日、食糧問題に対応するため農業部門の生産性向上を目指した行動計画を発表した。農業輸出に強いNSW州が、作物の生産性向上や研究開発(R&D)の取り組みを加速させることで、豪農業全体の成長と世界的な食料供給に貢献する。
「行動のための研究―生産性と食料安全」と名付けられた同計画は、安全で栄養価の高い食料を安定供給するための戦略として、◇コスト削減効果の高い生産性向上策の開発◇家畜飼料の改良、効率的な飼料管理方法の確立◇新市場向けの作物の研究◇生活習慣病のリスクを軽減する食事の提案――など12項目を挙げた。
また、自然環境を保全するとともに「気候変動」へ順応した農業を実践する戦略として、◇気候変動の下での最適な作物・家畜生産の運営方法の確立と実践◇多様な環境で生産性向上が図れる家畜・作物の品種改良◇疫病に強い品種の開発◇低農薬の害虫・疫病対策――など8項目を提示した。
こうした戦略に基づいて、NSW州政府のR&D施策を管轄する州産業・投資省が、2013年までの5カ年計画でさまざまな事業を実施する。
計画の発表にあたり、マクドナルド一次産業相は、「地球規模の食糧難や農産品市況の高騰、世界金融危機、気候変動などの環境問題、技能労働者の人手不足、バイオセキュリティーの危険拡大など、多くの問題が農業を取り巻いている」と述べた。
同相によると、需要の急拡大に対応するには、世界全体の食糧生産を25年までに75%増、50年までに倍増させる必要があるという。同相は、「農業生産の約半分を輸出しているNSW州の生産者は、途上国の食糧安保に重要な役割を担っている」と述べ、NSW州が世界的な食糧安保の構築に寄与できるとの考えを示した。【10月30日付NNA豪州農業ニュースより】