オーストラリア 2009年11月2日(月曜日)
マッコーリー半期減益も通期10%成長へ[金融]
投資銀マッコーリー・グループは先月30日、9月中間決算で純益が前年同期比21%減の4億7,900万豪ドルに落ち込んだことを明らかにした。ただし、通期では約10%の増益を達成できる見通し。5月以降に急速に事業買収を進めている同社だが、傘下ファンドによる組織の簡素化に向けた経営分離も加速しており、傘下マッコーリー・インフラストラクチャー(MIG)は同日、有料道路資産を2分割する計画を明らかにした。地元各紙(電子版)が伝えた。
マッコーリーは今年度下期に、上期と同水準の純益を計上できるとの見通しを表明。この予測を基にした場合、通期の純益は9億6,000万〜10億豪ドルに達し、2008/09年度比で約10%の成長が見込まれる。ただし、金融危機の影響が広がる前に記録した07/08年度の過去最高益18億豪ドルを依然として下回っている。
同社によると、不動産投資部門以外のすべての部門で黒字を維持しており、中でも純益4億7,900万豪ドルのうち3億3,100万豪ドルを占めた投資部門マッコーリー・キャピタルは今年度に過去最大の取引数を達成する見通しだ。今後も豪州国内やアジア地域を中心に好調が予測されている。
ただし、投資資産における評価減などで特別損失が4億1,400万豪ドルに上った。上期の営業収入は前年同期比4.5%増の31億豪ドル。中間配当については、1株当たり利益(EPS)が同31%減の1.5豪ドルに落ち込んだことを背景に、86豪セントに引き下げられた。前年同期には1.45豪ドルが支払われていた。
上期に大幅な減益を記録した同社だが、9月末時点での超過資本は45億豪ドルに達しており、今後も買収を加速するとみられている。同社は先月27日に、カナダの資産運用会社ブラックモント・キャピタルを総額9,330万カナダドル(9,570万豪ドル)で買収することを明らかにしたばかりで、5月以降に北米だけでも4回の事業買収を繰り返してきた。
中でも、8月に米リンカーン・ファイナンシャル・グループから買収した資産運用会社デラウエア・インベストメンツに関しては、マッコーリーの運用資産総額を3,450億豪ドルまで押し上げた。マッコーリーが米国で運営する資産のうち、デラウエアの貢献度は1,250億豪ドルに達するという。
ただ、企業買収で海外事業を強化する一方で、グループ内では国内ファンドの経営分離も急速に進められている。傘下のマッコーリー・エアポーツ(MAp)やメディアファンドのマッコーリー・メディア・グループ(MMG)は既に、会社組織の簡素化に向け、親会社からの事業経営権買い取り方針を表明している。
■MIG、有料道路資産を2分割へ
一方、MIGも同30日、保有する有料道路資産を2分割して上場する計画を明らかにした。優良資産と不振事業とを分離し、それぞれ独立した組織として経営を進める方針だ。
優良資産では、カナダ・トロントの有料高速道路407ETRとシドニーの環状道ウエストリンクM7の両資産を合わせて独立させる。これらは「マチュアMIG」と呼ばれ、6月末時点での評価額は36億4,000万豪ドルだった。
これに対し、残りの資産である英国のM6とフランスのAPRR、米シカゴ・スカイウエー、米インディアナ・トール・ロード、米サウスベイ・エクスプレスウエー、米ダレス・グリーンウエー、独ヴァルノー(Warnow)トンネル、米トランストールなどは「アクティブMIG」として統括され、6月末の評価額は計14億5,000万豪ドルという。
マッコーリーとMIGは同日、事業再編についての覚書(MOU)に調印。合意内容によれば、マッコーリーは「マチュアMIG」に対して12カ月間、事業再編に伴うサービスを提供するという。見返りとしてMIGは、マッコーリーに5,000万豪ドルを支払う。
MIGのジョンソン会長は、「再編によりMIGの資産価値を引き出すとともに、株主にとっては2つのポートフォリオに対する投資が明確になる」と説明している。今回の事業再編については今後、株主の承認が必要となる。