オーストラリア  2010年5月5日(水曜日)
準備銀、3カ月連続の利上げ実施[経済]

豪連邦準備銀(RBA)は4日、政策金利を0.25ポイント引き上げて4.5%にすると発表した。3月、4月に続き3回連続の利上げとなる。米国の経済指標が好調だったことに加え、上昇を続ける住宅価格の抑制を目的とした措置とみられている。金融業界では、「金利を据え置く要素がなかった」との見方も出ている。

スチーブンス総裁は声明の中で、世界規模で国内総生産(GDP)成長率が再び上昇傾向にあることに触れ、「豪州経済の危機はすでに通り過ぎた。政策金利を通常レベルに戻している」と、利上げ要因を説明した。

このほか、ここ1年で住宅価格が20%上昇したことも影響したとみられている。供給が需要に追いついていない状況に加えて、資源ブームを背景に増えた富裕者層、海外からの投機目的の不動産投資が住宅価格を押し上げているという。数年前の高金利を考慮すると、政策金利が依然として低い水準にあることから、住宅購入者が増加する傾向が続いているようだ。

ただ、これまで今回の利上げ基準として指摘されてきた1〜3月期の消費者物価指数(CPI)上昇率は大きな影響を与えなかったようだ。前期比0.9%、前年同期比2.9%と、予想していた範囲内で収まったためだ。

■カギは住宅価格

三井住友銀行の林克彦・為替資金課長(オーストラリア)は、3カ月連続の利上げを、「住宅購入を目的とした借入額が急増していることを警戒した措置」と分析。低金利を維持し続けることで、借入額がさらに拡大する可能性もあるからだ。住宅不足を背景に価格が上昇を続けていることにも、RBAは警戒しているという。

住宅問題の見通しについては、「世界経済が不況から脱し、諸外国で魅力的な投資案件が増えることで落ち着きをみせる可能性が高い」と指摘する。RBAは今後、不動産関連への投資抑制のインパクトを与えつつも、マーケットの混乱を避けるように注意しながら利上げを実施していくとみている。

次回の理事会での追加利上げの可能性については、「刺激的な数値が出ない限り、金利を据え置く」と分析。ただ、政策金利は年内に5.5%にまで引き上げられる可能性が高まっているともいう。

投資銀マッコーリーのアナリストであるロバートソン氏は、「資源価格が今後も高い水準で推移し、豪州経済が高い成長を記録した場合、政策金利は来年末には6.5%まで高まる」と分析している。

RBAの政策金利は、08年3月に7.25%を記録。その後、米リーマンブラザーズの破たんによる金融危機の影響で、利下げを断行した。昨年4月に3.0%にまで低下した後、昨年10月から3カ月連続でそれぞれ0.25%引き上げ、12月には3.75%。今年3月、4月に再び利上げを実施し4.25%となっていた。

■大多数「生活に満足」

一方、グレイ・アンド・スウィーニー・リサーチ(GASR)が調査したところ、豪州人の87%が現在の生活に満足していることが分かった。ただ、昨年に比べると2ポイント下落した。

満足度は下落したものの、豪州経済の見通しについては、「心配している」が全体の25%となり、昨年の36%、2年前の42%から大きく下落。ここ2年で豪州が金融危機の影響から脱したとの見方が強まったようだ。

GASRのガードナー会長は、「多くの人が雇用を維持し、豪連邦準備銀(RBA)の政策金利が依然として低い水準にあることが高い満足度の背景にある」と説明。また、金融危機の影響は、豪州では予想していたほど大きくなかったが、消費者が財務状況を意識するようになり、消費パターンを変えたとも指摘している。

一方、今後5年で問題になる出来事に関しては、水不足が前年に比べ3ポイント上昇の18%に達した。以下、◇失業率(14ポイント下落の15%)◇環境問題(1ポイント上昇の12%)◇気候変動(前年と同じ10%)――。

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