中国
湖南省長沙市から広州市まで高速鉄道での移動中、車窓には小さな集落が点在する農村風景が延々と映し出される。乗車していたのはおりしも夕方から夜になる時間帯、昼間の雨が止み雲間から夕陽が顔をのぞかせていた。
雨をたっぷりと吸いこんだ山々からは霧が立ち上り、逆光に映える農村は黄金色に輝いている。幻想的な光景に息を飲みつつも、似たような毎日に忙殺されて、最後にこんな夕陽を見たのがいつだったのか、そんなことさえも思い出せない自分をほんの少し寂しく思った。
20年程前には丸一日かかっていた行程も、今ではわずか2時間半の旅。時速300キロメートルでひた走る弾丸列車は、まるで生き急ぐ都会の人々の象徴のようだ。日が沈み赤と青の水彩画のような色彩を帯びた薄暮の空を見て思う、たまにはのんびり歩いたって良いじゃないかと。(程)<広東>